言語には“直接対応できない表現”がある理由——comfort food と中途半端の例から考える

①英語

英語を学んでいると、「これ、日本語で一語に訳せないな…」と感じる表現に出会うことがあります。
逆に、日本語を英語に訳すときにも、うまく一語で置き換えられないことがあります。

その代表例が、英語の comfort food と日本語の 中途半端 です。

■英語の comfort food が日本語に一語で訳せない理由

英語圏で使われる comfort food は、
「食べると心が落ち着く、気持ちが癒される料理」 を指します。

ところが実際には、

  • 甘いもの
  • 高カロリーのもの
  • 子どもの頃の思い出の味
  • ちょっとしたご褒美フード
    といったニュアンスも含まれ、単に「癒しの食べ物」とも「ご褒美フード」とも言い切れません。

つまり 日本語の文化では一語に集約されていない価値観が、英語には一語として存在している のです。

■日本語の「中途半端」が英語で一語にならない理由

一方で、日本語の 「中途半端」 は英語で一語に訳せません。

場面によって言い方が変わるからです。

  • half-hearted(やる気が中途半端)
  • incomplete / unfinished(未完成で中途半端)
  • wishy-washy(優柔不断で中途半端)
  • in-between(どっちつかず)
  • half-baked(考えが甘い)

このように、日本語が一語で表す抽象的な概念が、英語では複数の言い方に分かれている のです。

■なぜ直接対応が難しいのか? “文化の違い” が答え

言語は文化によって作られています。
そのため、ある文化では“ひとまとめ”にされている感覚が、別の文化では細かく分かれていたり、その逆もあります。

  • 英語文化:食に対する「癒し」感情の語彙が豊か → comfort food が一語で存在
  • 日本語文化:曖昧さやニュアンスを一語で包む傾向 → 中途半端が一語で存在

つまり、言語が違うほど、感情の捉え方・価値観・生活習慣も違うということです。

■翻訳できない言葉は「難しい」ではなく「文化を知るチャンス」

一語に訳せない表現に出会ったとき、
それは単に“難しい”のではなく、その言語の文化を知る絶好のチャンスです。

comfort food の背景を知れば、英語圏の食文化が見えてきます。
中途半端の英訳を探せば、日本語が持つ曖昧性や表現の柔らかさが浮かび上がります。

言語は文化の鏡。
一語で対応しない表現こそが、語学学習を深くしてくれるポイントなのです。

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